二宮戸建て

今回の住宅は中郡二宮の戸建て住宅です。実はこの住宅購入希望者は「既存住宅瑕疵保険の付保証明書」で登記費用の減税や住宅ローンの減税を受けたい希望を持っておりました。 戸建ての耐震基準適合証明よりも若干費用が高いですが、その分保証を得られる瑕疵保険のご希望でした。 

依頼主は以前よりお世話になっている平塚の不動産仲介会社様で、保険の審査に当たっての事前情報は様々な書類と写真画像をいただいておりました。一番注力するのは写真写りで、瑕疵保険の場合では写真写りがとても重要です。提供いただいた写真データを見る限りでは保険はパスすると思われました。なので保険の審査を前提で準備を進めてきたのです。

しかしながら、事前の予想に反して、実際の建物は老朽化が目立ち、今までの経験上から保険の審査にはパスしないと判断しました。 決済日まで日数的な余裕があれば、多少の手を入れることも考えられますが、予定されたスケジュールはとてもタイトなもので、例え手を売れても確実に保険の審査がパスするとは限らないことから、急遽ほかの手段に切り替えました。

そのほかの手段とは、「戸建ての耐震基準適合証明」です。 戸建ての耐震基準適合証明は、マンションの耐震基準適合証明とは違って耐震診断による数値クリアーが求められます。今までの経験上、7~8割の戸建て住宅は耐震診断をクリアーできません。 が、この住宅は事前判定ではクリアーの可能性があることから、急遽に耐震診断の為の現地調査に切り替えることになりました。 平面プラン上ではビルトインガレージになっていることから、X方向のゆれに対する耐性の懸念がありました。さらに小屋裏収納が設置されていることから必要耐力が高くなります。 筋交は45*90の二つ割を基本に配置されていて、たすきがけで補強もされている箇所もあり、X方向のゆれへの備えは考慮されていました。

耐震診断の現地調査

二宮戸建て

図面上の食い違いはほとんどありません。増改築を行っていないまったくのオリジナルのままのようです。 床下点検口からは土台と基礎の金欠状況や漏水・腐朽状況も確認しました。特に問題になる箇所は見当たりません。 各部屋の床の水平状態・壁の垂直状態にも問題は有りません。天井点検口は無く、代わりに天井内ロフトになっていましたので、実際に自身が中に入って状況を確認できました。筋交の全てを確認は出来ませんでしたが、図面上の位置に図面上の大きさの筋交が入っていることを確認できました。 これで耐震診断のデータは揃いました。

戸建ての耐震基準適合審査に耐震診断が欠かせない理由の一つに、設計図と実際の状況が食い違っていることです。建物は設計図どおりに建てられていると考えがちですが、それは違います。 戸建ては個人所有のため増改築は本人自身が決めれば簡単に出来ます。 マンションではそうは行きません。構造上に関わる改修はできないことになっています。 なので、実際の現地調査をしてみないことには本当のことが判らないのが戸建ての怖いところです。 

実際に多くの戸建ての耐震診断を実施していますが、中には本当にびっくりするような改造を行っている物件もあります。 一番多いのが間仕切壁を撤去して大きな部屋に改造しているケースです。 撤去できないはずの構造壁を撤去しているのです。 実際の施行をする人は大工さんですが、大工さんは施行のプロではあっても構造のプロでは有りません。改造した後の補強もなされていないことも多いですね。

ともあれ、現地調査は無事に済み、耐震診断に必要が情報をもれなく収集し、支障なく耐震診断をすることが出来ました。結果は「一応倒壊しない」の範囲内に収まり、耐震基準適合証明書の発行可能な物件となりました。