木造3階建ての耐震基準適合証明

他のコラムで「2階建て以下の木造住宅の耐震基準適合証明には耐震診断が必要」であることを述べましたが、では最近良く目立つようになってきた3階建ての戸建についてはどうなのでしょうか? 結論から言えば、「検査済証」の有る3階建ての戸建なら不要です。 このページではその理由について述べることにします。

新耐震以降のマンションの耐震基準適合証明では、検査済証の確認をもって適合性の確認をしています。ようするに新耐震のマンションの場合では「耐震診断」は必ずしも必要ではありません。その理由は、そのマンションの建築確認申請時に添付する書類の中に「構造計算書」が含まれていて、構造計算上の適合性も含めて確認されているからです。検査済証は確認済証の通りに施行されていることを確認した証明書ですから、その適合性があるわけです。

建物を計画し建築する場合に必用とされる書類に「構造計算書」があります。構造計算書は申請する建物が現状の構造基準をクリアーしていることを表しますが、実は2階建て以下の木造住宅のみが「構造計算書」の提出義務が無いのです。ようするに2階建て以下の木造住宅だけが建築確認申請時に構造計算のチェックを受けていないことになるのです。他の構造規模の建物では必ず「構造計算書」が必要です。なので「3階建ての木造戸建」も構造計算書が提出されていて耐震性のチェックがなされているので、耐震診断は不要なのです。

ただし、「建築確認済証」ではなく「建築検査済証」が必要で、増改築がないことを現地調査によって確認する必要が有ります。マンションの場合では構造体が共有財産のために増改築はほとんど無く、検査済証のままであることがほとんどですが、戸建の場合では容易に増改築が可能なため、変更がないことを確認する必要が有ります。もしも現地調査によって増改築が認められると、新たに耐震診断の上で基準値をクリアーしていることを証明する必要が有ります。

ではもしも現地調査によって増改築されていることが解かったら、耐震診断を行うべきでしょうか? 
これについては
①耐震診断にかかる費用と耐震基準適合証明を取得することによるメリットとの費用対効果
②耐震診断をすることで逆に耐震性の不足が明白になる場合がある。この場合には当然のことながら「耐震基準適合証明書」は取得できない。しかしながら耐震診断には実費が掛かるので費用負担の問題がある。
等のクリアーすべき事柄が多いので、内容によっては依頼人に適合証明の取得を断念するようおススメする場合もあります。